猫と洪水、そして人間のいない世界——『フロウ』。ラトビア発の長編アニメーションは、台詞なしの映像と音による語りで世界の観客を圧倒し、2025年にはアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した。配給チームが本作を世界の劇場へ送り出すにあたり、LI TRUSTは劇場公開用DCPパッケージ制作の中核技術を担った。 台詞のないアニメーションは、DCP制作において通常の劇映画とは根本的に異なる精度を要求する。本作の物語を語るのはサウンドデザインのみであり、音声トラックの精度管理が決定的に重要となる。LI TRUSTの技術チームは、全16チャンネルを対象に音圧レベル測定とダイナミックレンジ検証を実施し、DCI標準の劇場環境であらゆる音響ディテールが正確に再現されることを確保した。映像面では、DCI-P3カラースペースでHDRから標準ダイナミックレンジ(SDR)へのカラー変換を行い、さらに全編をフレーム単位で色彩一致性チェックした。 最終的な納品物はSMPTE-429規格に準拠した暗号化DCPパッケージであり、KDM鍵管理サービスを含めて世界各国の劇場での規定準拠の上映に対応している。